アフィリエイト・紹介プログラムの利用規約と、再紹介・ステマ・報酬の取消し

紹介制度の規約は、紹介者に配るルールブックであると同時に、広告主として運営者が負う責任を、紹介者の行動に結び付ける文書です。

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紹介者が報酬をもらっていることを書かずに投稿しても、責任を問われるのは広告主である運営者です。再紹介を認めると、連鎖販売取引にも近づきます。

このページの要点

  • 再紹介を許して報酬が連鎖に波及し、紹介者になるための購入や登録料などの特定負担があると、特定商取引法の連鎖販売取引に当たりうる(同法33条1項、40条の解除は20日)。
  • 報酬を受け取る紹介は広告。広告であることが分からない表示は、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象で、責任を負うのは広告主(令和5年内閣府告示第19号)。
  • 紹介文の自由な改変は、誇大な表現の責任を運営者に返す。禁止する表現、確認・削除の権限、表示例を、規約と手引きの両方に書く。
  • 成果の定義、確定の時点、取消しと返還、相殺の禁止、セルフバックの扱いを、入口と出口をセットで決める。紹介者に代理権がないことも書く。

最初に結論:紹介制度は「何段まで報酬を払うか」「広告だと分かる表示を義務にするか」「成果をいつ確定し、いつ取り消すか」で設計が決まる

結論

アフィリエイトや紹介プログラムの規約は、紹介者に配る「ルールブック」であると同時に、運営者が広告主として負う責任を、紹介者の行動に結び付ける文書です。報酬を払う相手が紹介者の先まで広がると(再紹介を認めると)、特定商取引法の連鎖販売取引に近づきます。報酬をもらって勧める投稿は広告なので、広告だと分かる表示がなければ、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になり、責任を問われるのは広告主である運営者です。紹介先が解約・返金したときの報酬、自己購入(セルフバック)の扱い、報酬の支払に伴う税務の手続も、制度を走らせる前に決めておかないと、あとから紹介者との間で揉めます。

紹介制度は、運営者にとって魅力のある集客手段です。広告費を先に払わず、成果が出たときにだけ報酬を払えば済みます。紹介する側にとっても、リンクを共有するだけで始められます。入り口が軽いぶん、法律の網に気づかないまま走り出しやすい制度でもあります。

アトラス行政書士法人は、顧客紹介の制度規約、アフィリエイト方式の販売代理店契約、商談の場を提供するプラットフォームのアンバサダー契約など、紹介の形をとる制度の書類を作成・検討してきました。どの案件でも最初に決めるのは、紹介者がどこまでの行為をするのか(リンクを共有するだけか、説明や勧誘までするのか)と、報酬がどの範囲まで流れるのか(紹介者本人だけか、その先まで広がるのか)です。この二つが決まると、かかる法律がほぼ決まります。このページでは、紹介制度の型、連鎖販売取引との線、ステマ規制と紹介文の表現、報酬の確定と取消し、自己購入と不正、紹介者との契約の性質と税務の順に説明します。

紹介制度の型を分けて考える

「紹介制度」と呼ばれる仕組みは、実際には性質の違う複数の型を含んでいます。型によって、規約に書くべき内容も、かかる規制も異なります。まず、自社の制度がどの型かを決めます。

紹介制度の型と、論点の違い

型紹介者の行為報酬の流れ最初に確認する法律
リンク・コード型専用のリンクや紹介コードを、自分のサイトやSNSで共有する紹介者だけに、成果ごとの報酬景品表示法(広告であることの表示)、特定商取引法(誇大広告)
顧客紹介型自分の顧客や知人に、サービスの存在を案内する紹介者だけに、紹介先の申込みごとの手数料個人情報保護法(紹介先の情報)、紹介者が事業者のときの契約の性質
再紹介を認める型紹介した人が、さらに別の人を紹介できる紹介者の先の紹介者にも報酬が波及する特定商取引法の連鎖販売取引
アンバサダー・代理店型説明や勧誘、場合によっては契約の取次ぎまで行う運営者の収益の一定割合などの継続的な報酬代理権の有無(表見代理)、業務委託契約、各種業法

「紹介制度」という同じ名前でも、右の列へ進むほど、規約だけでは足りず、契約書や制度設計そのものの見直しが必要になります。

紹介者に説明や勧誘までさせる型では、紹介者が何を言ってよいかを、運営者が管理する必要が増えます。逆に、リンクを共有してもらうだけの型は、紹介者の行為の幅が狭く、管理しやすい反面、広告としての表示ルールが中心になります。起案の最初にこの型を決めておくと、後の条項が揃います。

再紹介と連鎖販売取引:多段階の報酬がマルチに近づく線

紹介者がさらに別の人を紹介できる設計にし、紹介の連鎖の先からも報酬を得られるようにすると、特定商取引法の「連鎖販売取引」に近づきます。連鎖販売取引は、物品の販売または有償の役務の提供の事業であって、その商品の再販売、受託販売、販売のあっせんをする者(または同種役務の提供やそのあっせんをする者)を、特定利益を収受し得ることをもって誘引し、その者と特定負担を伴う取引をするものをいいます(同法33条1項)。特定利益は、後から加わる人が提供する取引料などの利益の一部、特定負担は、商品の購入、役務の対価の支払、または取引料の提供です。

ここで見落とされやすいのが、「特定負担」の要件です。多段階の報酬があるだけでは、連鎖販売取引に当たるとは限りません。紹介者になるために、商品の購入、参加費や登録料、役務の対価の支払などが必要になっているかが、判断の大きな分かれ目です。講座の受講料を払った人だけが紹介者になれる、紹介者になるために教材を購入する、毎月の会費を払い続けないと報酬を受け取れない、といった形は、特定負担がある、と見られやすくなります。運営者が「商品を買わなくても誰でも紹介者になれる」と言っていても、実際に報酬の条件が購入と結び付いているなら、実態で判断されます。

再紹介を許す前の点検:連鎖販売取引に近づいていないか

  • 紹介者が、さらに別の人を紹介者として勧誘でき、その先の人の成果からも報酬が発生する
  • 紹介者になるために、受講料、教材の購入、登録料、会費などの支払が必要になっている
  • 報酬を受け取る条件に、自分が購入し続けること、一定数の紹介を達成することが入っている
  • 報酬の原資が、後から加わる人の支払う金銭になっている
  • 紹介者が個人で、店舗等によらずに活動する前提になっている

複数の項目に心当たりがあるときは、規約の文言を直す前に、制度の報酬構造そのものを見直します。

連鎖販売取引に当たると、広告や勧誘のときの表示、契約の前後の書面の交付、不実告知や威迫の禁止といった規制がかかります。店舗等によらないで取引を行う個人が相手方となる連鎖販売契約では、その相手方は、法定の書面を受け取った日から20日を経過するまで、書面または電磁的記録によって契約を解除できます(同法40条)。この解除権は、規約の特約で排除できません。「紹介者は自己責任で活動する」「報酬は紹介者だけに払う」と書くだけでは、実態が連鎖販売取引なら、規制は避けられません。そのため、事務所の書類では、制度の初めから、再紹介を許さない設計を選ぶことが多くなっています。

再紹介の禁止と、紹介者になる条件の条文例

第1項

紹介者は、自らが紹介した者に対し、本制度の紹介者となることを勧誘し、または紹介者としての登録を斡旋してはなりません。

第2項

当社は、紹介者が紹介した者による他の者の紹介を理由として、紹介者に報酬を支払いません。

第3項

紹介者になるために、当社に対し、商品の購入、登録料その他いかなる名目の金銭も支払う必要はありません。

第3項のように、紹介者になる条件に金銭の支払がないことを明記しておくと、特定負担がない設計であることを、制度の入口で示せます。

広告であることを示す:ステマ規制と、紹介文の表現

令和5年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法違反の対象になっています。内閣府告示(令和5年内閣府告示第19号)は、消費者が事業者の表示だと見分けにくい表示を、景品表示法5条3号に基づく不当表示として指定しています。消費者庁の運用基準(令和5年3月28日)は、事業者がアフィリエイトプログラムを用いて、アフィリエイターに自らの商品や役務について表示させる場合を、事業者が第三者をして行わせる表示の例に挙げています。そして、アフィリエイトサイトに事業者の表示であることを記載していない場合を、事業者の表示であることが記載されていない例としています。

責任を負うのは、広告主である事業者です。運用基準の趣旨は、事業者が表示内容の決定に関与しているのに、第三者の自主的な感想のように見せる表示を規制するものです。紹介者が善意で、広告であることを書かずに自然な感想のように投稿しても、その結果は運営者に返ってきます。紹介者を取り締まる規約というより、運営者自身を守るための規約として、広告表示を紹介者の義務にします。

紹介者の広告表示の条項:改訂の例

広告であることの表示

改訂前紹介者は、法令を遵守して紹介活動を行います。
改訂後紹介者は、紹介のための投稿、記事、動画その他の表示を行うときは、閲覧者が、その表示が当社の商品の広告であり、紹介者が当社から報酬を受け取ることを、一見して分かるよう、表示の冒頭に近い位置に、周囲の文字と同程度以上の大きさで表示しなければなりません。当社が別に定める表示例に従った表示は、この義務を満たすものとします。

一般的な「法令遵守」の一文だけでは、何をすればよいか紹介者に伝わりません。運用基準が不明瞭な例に挙げる、冒頭以外のみの表示、小さな文字、大量のハッシュタグへの埋没を避けるよう、具体的に書きます。

運用基準が、表示が不明瞭な例として挙げているものは、紹介者に渡す手引きの材料になります。事業者の表示である旨を部分的にしか表示していない場合、動画の短い時間にしか示していない場合、表示の末尾の目立たない位置にある場合、周囲の文字より小さい、または薄い色になっている場合、大量のハッシュタグの中に紛れ込ませる場合などです。反対に、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった文言や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章による表示は、事業者の表示であることが明瞭な例として示されています。ただし、これらの文言を使っていても、表示内容全体から明瞭と認められない場合があります。

画面の見本:紹介者に渡す、SNS投稿の表示例

紹介者の投稿

【PR】この講座を紹介しています。このリンクから申し込まれると、私に紹介の報酬が支払われます。

私が受講して役に立った点は、講座の進め方が具体的だったことです。

https://example.com/?ref=xxxx

冒頭に広告であることと報酬の受領を書き、本文の感想と区別します。ハッシュタグの末尾に埋もれさせません。

手引きには、表示例とあわせて、やってはいけない見せ方も並べます。

紹介文の自由な改変と、誇大な表現

紹介者が、運営者の用意した紹介文を自由に書き換えられるようにすると、紹介者がそれぞれの言葉で効果を強調します。「誰でも簡単に」「必ず成果が出ます」「これだけで安心」といった表現は、景品表示法5条1号(優良誤認)や、通信販売の誇大広告等を禁止する特定商取引法12条に関わります。広告主は運営者です。紹介者の盛った一言の責任は、運営者に返ります。

線の引き方には、中間の設計があります。事実の範囲を超える効果、成果の保証、他社との根拠のない比較は禁止する。運営者が用意した紹介文は、そのまま使ってもよく、言葉を変える場合は、運営者が示した範囲の表現に限る。不安なときは事前に運営者の確認を求められる。これらを、規約と手引きの両方に書きます。紹介者の表現に問題があったとき、運営者が削除や修正を求められる権限、従わないときの報酬の不支払や契約解除も、条項にします。口コミやレビューを運営する側の、やらせ投稿への対応は、投稿の削除依頼と発信者情報開示への備えで扱います。

報酬の確定と取消し:入口と出口をセットで決める

紹介制度で、最も後から揉めるのは、報酬の発生と取消しです。「申し込んだ時点で満額」とだけ決め、「申込みが取り消されたら」を決めていない規約が目立ちます。紹介先が解約や返金をしたあとに、紹介者へ払った報酬が出ていったままになるためです。

報酬が生まれてから確定し、支払われるまで

紹介紹介先が紹介者のリンクから訪問する
申込み・入金紹介先が申し込み、代金を支払う
成果の判定成果の定義に当てはまるかを運営者が確認する
確定の待機返品・解約・返金が起こりうる期間を待つ
確定・支払支払日に、定めた方法で報酬を支払う

利用者・相手方 運営者 外部の事業者・行政 問題になりやすい点

報酬を確定させる時点を、返品・解約・返金の可能性が消える時点に近づけるほど、あとの返還の手間が減ります。

報酬を決めるうえで、最初に確認するのは「成果」の定義です。申込みか、入金か、サービスの提供開始か、継続した月数か。紹介先が無料体験から有料に移行した時点なのか。ここが曖昧だと、紹介者が成果だと思う時点と、運営者が成果と数える時点が食い違います。次に、確定の時点です。通信販売では、商品の引渡しから8日間は申込みの撤回等ができる場合があり(特定商取引法15条の3)、返金や解約が起こりうる期間があります。その期間が過ぎてから確定させ、支払うと、返還の問題はずっと小さくなります。

「成果」の定義の選び方

成果とする時点紹介者にとって運営者にとって書いておくこと
申込みの時点早く確定し、分かりやすい申込みの取消しや未入金のとき、返還が増える申込みの取消し・未入金のときは成果にならない旨
入金の時点入金を待つぶん、確定が遅れる未入金のリスクがなくなる入金の確認方法と、確認できない場合の扱い
サービスの提供開始の時点さらに遅れる提供前の解約によるやり直しが減る提供開始日の定義(契約期間の開始日など)
一定期間、継続した時点報酬は継続の結果に連動する早期解約への備えになる継続期間の数え方と、途中で解約した場合の報酬の扱い

どの時点を選んでも、紹介者が申込みをどの経路で行ったか(リンクの有効期間、最後に使われた紹介リンクのどちらを成果とするか)の判定ルールを、あわせて書きます。

経路の判定は、複数の紹介者のリンクを使った申込みで必ず問題になります。紹介先が、ある紹介者のリンクから訪問したあと、別の紹介者のリンクから申し込んだ場合に、どちらの成果とするのか。リンクの有効期間は何日か。運営者のサイトに直接アクセスして申し込んだ場合は、紹介の成果とみなさないのか。これらは、運営者のシステムの仕様で決まるため、開発の担当者と確認しながら、規約に、判定の基準を日数と順序で書きます。基準がないと、報酬の金額をめぐる問い合わせが増え、運営者が個別に判断するたびに、紹介者との信頼関係が削られていきます。

報酬の確定と取消しの計算例(数字は説明用)

  • 受講料10,000円、報酬率20%、申込み後14日で確定10,000×20%=2,000円14日経過後に2,000円を支払う
  • 確定前に紹介先が全額返金を受けた返金により成果が消えた報酬は発生しない(支払前なので返還も不要)
  • 支払後に、紹介者の責任で紹介先の契約が解除されたすでに受け取った2,000円規約に従い、運営者の請求で2,000円を返還

支払後の返還は、どのような事由のときに、いつまで、いくらを求められるのかを、条文に書きます。

報酬の返還と相殺に関する条文例

第1項

紹介手数料の支払後に、紹介者の責めに帰すべき事由により、紹介先と当社との契約が解除されたときは、紹介者は、当社の請求に基づき、当該紹介先に関して受け取った紹介手数料の全部を、当社に返還します。

第2項

紹介先が、法令に基づく申込みの撤回、解除または返金を受けたときは、当社は、当該紹介先に関する紹介手数料を支払わず、すでに支払ったときは、その返還を求めることができます。

第3項

紹介者は、当社に対して有する債権を、本契約に基づき負担する債務と相殺することはできません。

返還を求める範囲に「紹介者の責めに帰すべき事由」を入れるかどうかで、紹介者が負う負担が大きく変わります。運営者の方針として決めます。

支払条件を後から変える場合の定めも、必要です。報酬率や支払日を変えるときは、事前に通知する期間を置き、変更を受け入れない紹介者が解約できるようにし、変更前の成果には変更前の条件を適用します。継続して報酬を払う制度の規約変更は、利用規約の変更の考え方に沿って、周知の方法まで決めます。

自己購入(セルフバック)と、不正な紹介への備え

紹介リンクは、紹介者本人も使えます。自分のリンクから自分で申し込んで報酬を得る行為、いわゆるセルフバックを認めるのかどうかは、制度の価格方針にかかわります。全面的に認めると、実質的な値引き販売になり、通常に申し込んだ人との公平性が崩れます。認めるなら、条件を書き分けます。

自己購入・不正に関する線引きの例

行為運営者の対応の選択肢規約に書くこと
紹介者自身の申込み(セルフバック)認めない、または条件つきで認める対象の範囲と、認める場合の報酬率や回数の上限
家族・同居人・自分が運営する別名義の申込み同一の世帯・端末・決済手段は成果と数えない成果から除外する基準と、確認のための資料の提出
紹介者の広告出稿(検索広告で運営者の名称を使うなど)禁止、または運営者の事前承認制出稿できる媒体、キーワードの制限
リンクのクリックや申込みを偽装する行為報酬の不支払、契約の解除不正と判断する基準、停止中の報酬の保留
紹介者が、運営者の代理人であるかのように振る舞う行為禁止し、代理権がない旨を明記紹介者に代理や媒介の権限がないこと、誤解を与える説明の禁止

不正の判断を運営者の裁量だけに委ねる条項は、紹介者との関係を悪くします。基準と、報酬を保留する手続を示します。

最後の行は、紹介者が運営者の代理人のように見える場面です。紹介者が「私が申込みを受け付けます」「この条件でお得にできます」と振る舞うと、紹介先から見て、紹介者に代理権があるように見えます。民法には、代理権を与えた旨を表示した場合や、代理権の範囲を超えた行為をした場合に、本人が責任を負うことがある表見代理の規定があります(109条など)。事務所が作成したアフィリエイト方式の代理店契約では、代理権がないことを明記し、契約の成立は運営者が決める、という構成をとりました。

紹介者との契約の性質、紹介先の個人情報、報酬の税務

紹介者が事業者(個人事業主や法人)か、個人の消費者かで、契約の見え方が違います。事業者に対する紹介の委託であれば、業務委託契約としての整理も必要になります。紹介者が個人の事業主なら、フリーランスとしての取引の側面も出てきます。この点は、レベニューシェア契約書の書き方で扱った「分配」の考え方や、代理店の契約書の整理が参考になります。

紹介先の個人情報も、論点です。紹介者が、友人の氏名や連絡先を運営者に渡す形式の制度では、紹介者側が個人データを第三者に提供することになる場合があります(個人情報保護法27条)。リンク方式で、紹介先自身が申込みの画面に情報を入力する形なら、この問題は小さくなります。さらに、紹介リンクの識別子をCookieなどで保存し、広告の仲介事業者に送る仕組みなら、外部送信の公表や個人関連情報の提供の問題が重なります。詳しくはCookieポリシーと外部送信規律を参照してください。

報酬を払うときは、税務の手続も制度の一部です。インボイス制度では、登録をしていない紹介者に報酬を払うと、運営者側の消費税の仕入税額控除が影響を受けます。経過措置の控除割合は段階的に縮小し、令和8年度の税制改正でも見直しが行われているため、最新の取扱いを国税庁の案内で確認します。源泉徴収の要否は、報酬の中身が、所得税法204条1項に挙げられた報酬・料金に当たるかによって決まります。規約には、税務の取扱いを紹介者が自分で確認すること、運営者が必要な書類の提出を求められること、その書類が出ない場合の報酬の扱いを、書いておきます。

制度を公開する前の点検:紹介制度の規約

  • 制度の型(リンク型、顧客紹介型、再紹介を認める型、代理店型)を決め、規約の対象を絞った
  • 再紹介を認めない設計にした。認める場合は、紹介者になる条件に金銭の負担がなく、報酬の原資も後から加わる人の支払に依存していない
  • 広告であること・報酬を受け取ることを、冒頭近くに分かりやすく表示する義務を、表示例とあわせて紹介者に渡した
  • 禁止する表現(効果の保証、誇大な表現、根拠のない比較)と、運営者の削除・修正の権限を書いた
  • 成果の定義、確定の時点、支払日、取消しと返還、相殺の禁止を、一組の条項にした
  • セルフバック、家族名義、広告出稿、偽装クリックの扱いと、報酬を保留する手続を決めた
  • 紹介者に代理権がないことと、運営者が契約の成否を決めることを書いた
  • 紹介先の個人情報、Cookie、インボイス・源泉徴収の手続の担当者と、確認する書類を決めた

よくあるご質問

紹介者がさらに別の人を紹介できる制度にしてもよいですか。

お勧めしません。再紹介を許して報酬が紹介の連鎖に波及すると、特定商取引法の連鎖販売取引に近づきます。ただし、連鎖販売取引に当たるには、紹介者になるための商品の購入や登録料などの特定負担が必要です。それがない設計かを、制度の入口で確認し、再紹介を認めない構成にするのが安全です。

紹介者が報酬をもらっていることを書かずに投稿した場合、誰の責任になりますか。

景品表示法のステルスマーケティング規制の対象となる事業者は、広告主である運営者です。運用基準は、事業者がアフィリエイトプログラムを用いて、アフィリエイターに自らの商品について表示させる場合を、事業者の表示になりうる例としています。そのため、規約で広告表示を紹介者の義務にし、表示例を渡します。

紹介先が返金を受けたとき、すでに払った紹介報酬は返してもらえますか。

規約に定めがあれば、請求できます。返還を求める事由(紹介者の責めに帰すべき事由か、法令に基づく撤回・解除・返金か)と、相殺の禁止を書いておきます。確定の時点を、返品や解約が起こりうる期間が過ぎたあとにすると、返還の問題自体が小さくなります。

紹介者が自分のリンクから自分で申し込むこと(セルフバック)は禁止すべきですか。

一律の正解はありません。認めると実質的な値引き販売になるため、価格の方針との整合を決めます。認める場合は、対象の範囲と、報酬率や回数の上限を規約に書き、家族名義や別名義での申込みを成果から除く基準も決めます。

紹介報酬を払うときの税務は、規約にどこまで書けばよいですか。

税務の扱いを運営者が助言する必要はありません。規約には、紹介者が自身の税務の取扱いを確認すること、運営者が必要な書類(適格請求書の発行事業者の登録番号など)の提出を求められること、提出がない場合の報酬の取扱いを書きます。インボイスの経過措置の割合は、国税庁の最新の案内で確認します。

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