ホームページのプライバシーポリシーとサイト利用規約の作り方

会員のいないホームページでも、問い合わせフォームから個人情報を預かれば、プライバシーポリシーは要ります。法律で決まる部分と、外部サービスの規約から来る部分を分けて書きます。

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ひな形をそのまま入れたポリシーは、使っていない解析ツールの説明が残り、後から足したタグの説明が抜けがちです。実装と文面が食い違った公表は、書かないより悪い結果になります。

このページの要点

  • フォームだけのサイトでも、個人情報取扱事業者になる。人数の下限はなく(16条2項)、取得の場面の利用目的の明示(21条2項)と、保有個人データの公表事項(32条1項、施行令10条)が要る。
  • Googleアナリティクスの記載は、個人情報保護法が直接求める義務ではなく、提供元の規約と透明性による。根拠を区別し、実装を確認してから書く。
  • 外部送信規律の対象かは、規模ではなくサービスの性質で決まる。会社案内・サービス案内・来店予約のページは対象外とされ、ニュース配信や口コミの場は対象になる(総務省FAQ)。
  • サイト利用規約は、契約を結ぶ場面がなければ「ご利用にあたって」の性格。コメント、予約、会員、ダウンロードがあるときは規約を置く。

最初に結論:会員のいないホームページでも、プライバシーポリシーは「法律で決まる部分」と「外部サービスの規約から来る部分」に分けて作る

結論

問い合わせフォームで氏名やメールアドレスを受け付け、その履歴を検索できる形で保存していれば、会員登録のないホームページの運営者も「個人情報取扱事業者」です。人数の下限はありません(個人情報保護法16条2項)。プライバシーポリシーの中心は、保有個人データについて本人の知り得る状態に置く事項(同法32条1項、施行令10条)です。Googleアナリティクスなど外部サービスの記載は、個人情報保護法が直接課す義務ではなく、各サービスの規約や透明性の確保から書くものが多いため、根拠を区別して説明します。電気通信事業法の外部送信規律は、会社の規模ではなく、提供するサービスの性質で対象かどうかが決まり、自社の事業のための会社案内・サービス案内・来店予約のページは、総務省のFAQで対象外とされています。サイト利用規約は、契約を結ぶ場面がなければ、免責・リンク・著作物の扱いを知らせる「ご利用にあたって」の性格になります。

ホームページのプライバシーポリシーで問題が出やすいのは、制作会社が同じひな形を多くの顧客サイトに入れる場面です。アトラス行政書士法人は、Web制作会社が多業種のクライアントサイトに組み込むプライバシーポリシーの共通ひな形と、制作担当者向けの運用手引き、その内容についてのご質問への回答書を作成・点検してきました。このページは、そこで繰り返し出た論点を、情報発信が中心のホームページ(会員機能のないサイト)に絞って整理します。

アプリ固有の取得情報(端末ID・SDK・位置情報)はアプリのプライバシーポリシーの書き方、外部送信の一覧の書き方はCookieポリシーと外部送信規律で説明しています。ここでは、ホームページに特有の問い――フォームだけのサイトでも何が必要か、解析ツールや地図の記載は義務か、業種ごとに何を足すか、サイトの利用規約は要るか――を順に扱います。

会員機能がなくても「個人情報取扱事業者」になる

個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者です(個人情報保護法16条2項)。個人情報データベース等は、個人情報を含む情報の集合物で、特定の個人情報を電子計算機で検索できるように体系的に構成したものなどをいいます(同条1項)。問い合わせフォームから届いた氏名・メールアドレス・内容を、メールソフトや表計算ソフトに蓄積し、名前や日付で探して使っているなら、これに当たると考えられます。法律に人数の下限はなく、個人で運営していても、会員がいなくても同じです。

この立場になると、ホームページの作り方に直接かかわる義務が三つ生じます。

  1. 取得の場面で利用目的を示すこと。本人が入力画面に打ち込んだ情報を直接取得するときは、あらかじめ利用目的を明示しなければなりません(21条2項)。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、自社のホームページの入力画面で参加申込みの情報を取得する場合を、明示が必要な事例に挙げ、送信ボタンを押す前に目的が本人の目に留まる配置を望ましいとしています。
  2. 保有個人データについて、一定の事項を本人が確かめられるようにしておくこと。事業者の名称、利用目的、開示等の請求の手続、安全管理の措置、苦情の申出先などです(32条1項、施行令10条)。次の節で詳しく見ます。
  3. 安全管理と、外部事業者に任せる場合の監督。フォームの受信を外部のサービスに任せる、返信の作業を外部の担当者に頼む、といった場面は、委託先の監督(25条)の問題になります。
画面の見本:問い合わせフォーム(目的を送信の前に出す)

お問い合わせ

お名前・メールアドレス・お問い合わせ内容をご入力ください。

ご入力いただいた情報は、お問い合わせへの回答と、その後のご連絡のためだけに利用します。

個人情報の取扱いについて

上記の取扱いを確認しました

送信する

健康状態など、デリケートな情報は、必要な場合を除き書かないでください。

利用目的は送信ボタンの近くに置き、詳細は一度の操作で行けるリンクにします。チェックボックスは、要配慮個人情報(病歴など)を取得する場合には同意の記録として意味を持ちます。通常の問い合わせだけなら、目的の明示で足り、チェックは確認の運用です。

保有個人データの公表事項(32条):何を、どこに書くか

32条1項は、保有個人データ(事業者が開示や訂正、削除などを行う権限を持つ個人データ。16条4項)について、一定の事項を本人の知り得る状態に置くよう求めています。この「知り得る状態」には、本人から求められたときに遅滞なく回答する運用も数えられます。個人情報保護委員会のQ&A(Q9-1)は、ホームページへの掲載が必須ではなく、問合せ窓口を設けて、問合せがあれば回答できる体制にしておけば足りるとしています。ただし、苦情の申出先となる窓口は、分かりやすくしておくことが望ましいとされています。

32条1項・施行令10条の公表事項と、書き方の要点

事項根拠書き方の要点不備になりやすい例
事業者の名称、住所、法人の代表者の氏名32条1項1号法人は代表者の氏名、個人事業は事業主の氏名を書く。住所などを常時は掲載しない場合は、請求に応じて遅滞なく回答する旨を一文で添える屋号とメールアドレスだけで、誰が取り扱うのか分からない
すべての保有個人データの利用目的32条1項2号取得する情報ごとに目的を結び付ける。業種で足す項目は後の節「サービス向上のため」だけ
開示等の請求の手続(手数料を定めたときはその額)32条1項3号、38条受付窓口、本人確認の方法、手数料。小規模な事業者は「原則無料」とする運用が簡明「所定の手数料」とあるが、額がどこにもない
安全管理のために講じた措置施行令10条1号組織的・人的・物理的・技術的の区分で概要を書き、詳細は請求に応じて回答する。従業者と委託先の監督も措置の一部として含める(Q&A 9-3、9-4)「適切な措置を講じます」の一文だけ。逆に、実際にしていない暗号化などを書く
苦情の申出先施行令10条2号実際に届く窓口を書く問い合わせフォームのURLがない
認定個人情報保護団体の名称と苦情の申出先施行令10条3号対象事業者である場合だけ加入していないのに書く

氏名や住所を本文に載せない運用は認められますが、その場合は「請求があれば遅滞なく回答する」という一文が必要です。その一文もないポリシーは、公表事項を本人の知り得る状態に置いたと説明しにくくなります。

安全管理措置の書き方は、ご質問の多い点です。事務所が点検したひな形のご質問でも、「一文に短くしてよいか」が取り上げられました。「必要かつ適切な安全管理措置を講じます」という一文は、法律が事業者に課している義務(23条)を言い換えたものにとどまり、講じた措置の概要を示していません。短くする場合も、四つの区分を消さずに一文へ圧縮し、詳細は請求に応じて回答すると添えます。逆に、実際には行っていない措置を書くことは、実態とずれた公表になるため避けます。小規模な事業者であれば、責任者を決めている、取扱いのルールがある、書類や機器を施錠して管理している、パスワードとアクセス制限をかけている、サイトを暗号化通信にしている、といった基本が整っていれば、概要の記載と実態が合います。

公表事項の書き方を改める例

安全管理措置

改訂前当社は、個人情報の漏えい等を防止するため、必要かつ適切な安全管理措置を講じます。
改訂後組織的(責任者の設置、取扱いルールの整備)、人的(従業者への周知)、物理的(書類・機器の施錠管理)、技術的(アクセス制限、通信の暗号化、ウイルス対策)の措置を講じています。具体的な内容は、窓口へのご請求に応じて遅滞なくご案内します。

講じた措置の概要を示し、詳細は求めに応じて回答する形にする。実際に行っていることだけを書く

手数料

改訂前開示のご請求には、所定の手数料をいただく場合があります。
改訂後利用目的の通知および開示のご請求に係る手数料は、原則として無料です。

額を定めない「所定」では、32条1項3号の公表として足りない。有料にするなら額まで書く

事業者の表示

改訂前運営:(屋号) 連絡先:(メールアドレス)
改訂後名称(個人事業は事業主の氏名)、住所、代表者の氏名を書く。住所を掲載しない場合は「ご請求があれば遅滞なくお答えします」と書く

誰が個人情報を管理しているかが本人に分かるようにする

改訂前の欄は、一般的なひな形に多い書きぶりです。

Googleアナリティクスの記載は法律上の義務か:三つの根拠を分ける

ホームページのプライバシーポリシーで最も多く質問されるのが、アクセス解析の記載です。結論から言うと、Googleアナリティクスを使っていることの記載は、個人情報保護法が直接定めた公表事項ではありません。記載する理由は、次の三つに分けて考えるのが正確です。

記載の根拠は三層ある

法律

個人情報保護法・電気通信事業法

  • 32条1項の公表事項は、全事業者に適用される
  • 外部送信規律は、対象のサービスにだけかかる
  • 解析ツールの名前を書くことそのものを、32条は求めていない

契約

利用しているサービスの規約

  • Googleアナリティクスの利用規約には「プライバシー」の条があり、プライバシーポリシーの公開、Cookie等の利用の開示、同サービスの利用の開示などを利用者に求めている
  • 2026年10月18日に確認した公開版では第7条で、最終更新は2023年5月15日と表示されている
  • 省略すると、法律ではなく規約の違反になりうる

実務上の推奨

利用者への透明性

  • 何が、誰に、何のために送られるかを知らせると、問い合わせや不信を減らせる
  • 義務ではないが、記載を消さない運用が穏当

依頼を受ける側は、「一律に法律上の義務」とは案内せず、根拠を区別して説明します。条番号は改定されることがあるため、規約の現行版で確認します。

主な外部サービスの記載の考え方(外部送信規律の対象外のサイトの場合)

外部サービス主な根拠記載の考え方
Googleアナリティクス提供元の規約(プライバシーの条)と透明性規約が求める開示があるため、記載を残す
地図の埋め込み埋め込みの方式(単純な共有用の埋め込みか、API方式か)で適用される規約が変わる制作担当者に方式を確認し、導入時に現行の規約を確かめて決める
Webフォント配信の方式提供元のサーバーから配信する方式では、閲覧者の端末から送信が生じるため、透明性の観点から記載する。自社のサーバーに置く方式では、外部への送信が生じず、記載を要しない
スパム対策の仕組み(reCAPTCHAなど)端末や操作の情報が提供元に送られる送られる情報の種類と目的を記載する
動画・SNS投稿の埋め込み埋め込みの方式提供元の公式の埋め込みか、第三者のウィジェットかで送信先が増減する。実装を確認してから書く

サイト制作会社の運用では、実装を確認せずに書かないことが最も大切です。送信が生じない構成なのに書く、生じる構成なのに書かない、のどちらも、実態とずれた公表になります。

書き方では、断定の表現に注意します。解析ツールの説明に、「Cookieには個人を特定する情報は含まれません」「匿名で収集しており、個人を特定するものではありません」と書く案は多く見られます。しかし、Cookieの識別子やIPアドレスが個人を識別できるかは、事業者が持つ他の情報や送信先が持つ情報と照合できるかで変わります。事務所のレビューでは、「Cookie自体には、氏名など個人を直接識別する情報は含まれません」のように、事実の範囲にとどめ、実際に送信される情報とその処理を説明するよう改めました。

解析ツールの記載例(Googleアナリティクスの場合)

第1項

当サイトでは、利用状況を把握し、内容を改善するため、Google LLCが提供するアクセス解析サービス「Googleアナリティクス」を利用しています。

第2項

このサービスは、Cookieを用いて、閲覧したページ、端末やブラウザの種類、おおよその地域などの情報を収集します。収集された情報は、Googleのプライバシーポリシーに従って取り扱われます。

第3項

当サイトは、氏名や連絡先など、特定の個人を直接識別する情報を、このサービスに送信していません。

第4項

Cookieは、ブラウザの設定で無効にできます。Googleが提供するオプトアウト用のアドオンも利用できます。

利用するツールを変えたときは、サービス名、リンク、停止の方法を差し替えます。広告用のタグを入れるときは、この条文では足りません。

外部送信規律がかかるホームページ、かからないホームページ

電気通信事業法27条の12は、一定のサービスを提供する事業者に、利用者の端末から外部へ情報を送らせるときの通知・公表を求めています。対象になるかは、会社の規模や利用者の数ではなく、提供する役務の性質で決まります。総務省の「外部送信規律FAQ」は、次のように整理しています(2026年10月18日に確認)。

ホームページの種類と、外部送信規律の対象かどうか

ホームページの種類対象か考え方
会社や店舗の紹介、サービスの案内、お知らせ対象外自己の需要による情報発信で、電気通信事業に当たらない(FAQ問1-18、問2-12)
自社の商品を販売するネットショップ対象外本来の事業の遂行の手段として通信を使っているにすぎない(問1-12、問1-13)
来店予約のページ対象外自己の需要によるもの(問1-19)
ニュースなど各種情報のオンライン提供対象施行規則22条の2の27第4号。利用者が少なくても対象(問1-11)
利用者の投稿を公開する口コミ・掲示板、複数の出品者が出店するモール対象同条2号(問1-14、問2-3)
対象のサービスの利用者向けのサポートページ対象付随する元のサービスが対象であれば対象(問1-18)

同じホームページの中でも、ページ単位で判断されます。ニュース配信のページは対象でも、同じサイトの会社案内のページは対象外です(問2-12)。

では、対象外のホームページは、外部サービスについて何も書かなくてよいのでしょうか。共通ひな形の運用では、外部送信規律に基づいて公表する旨の宣言文だけを削り、解析ツールや地図、スパム対策などの個別の説明は、透明性の確保のために残す扱いにしました。適用のない規律を掲げる文だけが不要で、利用者に対する説明まで消す必要はないという整理です。

「外部送信」と「外国にある第三者への提供」を分ける

外部送信・クラウド利用として整理

Cookieやアクセス情報の自動送信

  • アクセス解析、地図、Webフォント、スパム対策、動画の表示など
  • 氏名や連絡先など、特定の個人を識別できる情報を外国の会社に渡して使わせる場面ではない
  • 対象のサイトなら公表する。対象外でも透明性のため開示する

個人情報保護法28条を検討

特定の個人を識別できる情報を外国の事業者に渡す

  • 海外のメール配信・顧客管理・予約・決済サービスに、氏名やメールアドレスを登録する
  • 海外の事業者に個人データの取扱いを委託する
  • 海外の拠点・グループ会社へ顧客情報を提供する

外国かどうかは、サーバーの所在地ではなく、提供先の第三者が所在する国で判断します(Q&A 12-11)。外国の事業者のクラウドでも、契約で保存データを取り扱わないとされ、適切にアクセス制御されているなら、「提供」に当たりません(Q&A 7-53、12-3)。詳しくは個人情報の第三者提供と、海外のクラウド・SaaSの整理で説明しています。

問い合わせフォームと外部フォームサービス:取得から返信までのデータの流れ

フォームは、入力を受ける場所であるだけでなく、情報が複製される場所でもあります。入力内容はフォームサービスに保存され、通知メールで受信箱に届き、表計算ソフトやチャットにも転記される。保存先が増えるほど、事業者が把握すべき範囲も広がります。

問い合わせの情報の流れ(例)

閲覧者フォームに氏名・メール・内容を入力する
フォームの提供事業者入力内容を保存する。個人データを取り扱うか、どの国の事業者かを確認する
通知メール・表計算ソフト受信箱や台帳に複製される。閲覧できる人と保存期間を決める
返信・履歴の管理回答し、履歴を残す。外部の担当者に任せるなら委託
スパム対策の仕組み別の外部サービスに端末の情報が送られることがある

利用者・相手方 運営者 外部の事業者・行政 問題になりやすい点

保存先ごとに、事業者が個人データを取り扱うことになっているか、所在国はどこかを確認し、ポリシーの記載に反映します。

クラウドのフォームサービスを使うことが、第三者への提供や委託に当たるかは、保存しているデータに個人データが含まれるかどうかではなく、サービスの提供事業者が個人データを取り扱うことになっているかで判断します(Q&A 7-53)。取り扱わないことになっている場合は、「提供」にも委託にも当たりませんが、自分で適切な安全管理措置を講じる必要があります(Q&A 7-54)。一般的なコーポレートサイトで、フォームを使うという理由だけで、第三者提供の条項に書く必要はない、というのが事務所の整理でした。一方、提供事業者が自社の目的で入力内容を処理する仕組みなら、委託や外国提供の整理が別に要ります。

フォームを設置する前に確認する順番

  1. 取得項目を絞る必須と任意を分け、使わない項目は取らない。生年月日や住所が本当に必要かを問い直します。
  2. 利用目的を決めて画面に出す問い合わせへの回答、資料の送付、予約の確認など、実際に使う目的を、送信ボタンの近くに示します。
  3. 保存先を洗い出すフォームのサービス、通知メール、表計算ソフト、チャット、顧客管理ツールまで、複製される場所をすべて挙げます。
  4. 各保存先の事業者を確認する個人データを取り扱うことになっているか、どの国の事業者かを、規約と契約で確かめます。
  5. 保存期間と削除を決める対応が終わったあとの保存期間を決め、通知メールなど複製の削除も含めます。
  6. 返信と管理の担当を決める外部の担当者に任せるなら、取扱いの範囲を決めて監督します。

制作前に確認する問い

  1. 問い合わせの内容は、どこに保存されますか(フォームのサービス、メール、表計算ソフト、チャットなど)。保存先ごとに事業者の取扱いと所在国を確認し、ポリシーの委託・外国提供の記載に反映します。
  2. フォームは、問い合わせ以外(資料請求、予約、採用応募)にも使いますか。目的ごとに利用目的を書き分け、要配慮個人情報や履歴書が入る欄の有無を確かめます。
  3. 自由記述欄はありますか。デリケートな情報が書かれることがあります。入力欄の近くに注意書きを置きます。
  4. フォームのページに、スパム対策や解析のタグを入れていますか。端末の情報が外部に送られるため、外部サービスの開示に加えます。
  5. 返信を、外部の担当者に任せていますか。委託として扱い、取扱いの範囲と監督の方法を決めます。

業種別に足す項目:ひな形の「差し替え箇所」を分けて管理する

共通のひな形は、そのままでは多くの業種に合いません。業種ごとに、取得する情報、利用目的、提供先、守るべき法令が異なるからです。

業種別に追加することの多い項目

業種追加が想定される情報追加する記載確認する法令・指針
医療機関・クリニック予約・問診の情報、症状、既往歴要配慮個人情報を取得する旨と同意の取り方、問診の利用目的個人情報保護法20条2項。本人が書面や入力で直接提供した場合は、同意があったものと解される(通則編3-3-2)
美容・整体などのサロン施術の履歴、肌や体質の情報、予約施術の記録、アフターフォローの連絡、写真の扱い健康に関する情報が要配慮個人情報に当たる場合の同意
士業相談の内容、案件の書類、本人確認の書類受任した業務の遂行、官公署への提出(提出先を明記)各士業の守秘義務(行政書士であれば行政書士法12条)
採用サイト履歴書・職務経歴書、学歴、職歴選考、連絡、入社手続の目的と、保管期間、不採用時の扱い職業安定法5条の5と、これに基づく指針(平成11年労働省告示第141号)。社会的差別の原因となるおそれのある事項などは、原則として収集しない
ネットショップ決済の情報、配送先、購入の履歴決済代行・配送会社への提供(委託か第三者提供か)、外国の事業者の有無特定商取引法に基づく表記は別に必要
会員制・情報配信のサイト会員ID、ログイン情報、行動の履歴外部送信、個人関連情報の提供電気通信事業法27条の12、個人情報保護法31条
不動産会社売却・購入の希望、物件の情報指定流通機構への物件情報の登録を、法令に基づく扱いとして書く宅地建物取引業法34条の2第5項(専任媒介契約を締結したときの登録)

業種ごとの取得情報と同意の取り方は、要配慮個人情報を扱う場合に特に重要です。詳しくはセンシティブな情報を扱うアプリのプライバシーポリシーで整理しています。

事務所の書類では

共通ひな形と運用手引きでは、差し替えが必要な箇所を、公開前に必ず処理するための記号で四つに分けていました。事業者名・代表者・住所・連絡先のように必ず差し替える項目、業種に応じて足したり選んだりする項目、実際に使う外部サービスに応じて足したり削ったりする項目、公開前に削除する制作担当者向けの注記です。

制作会社が多数のサイトに同じひな形を入れるときの事故は、他社の名前が残る、使っていないサービスの条項が残る、といった差し替え漏れに集中します。分類があると、確認の抜けが減ります。

サイト利用規約は要るか、置くなら何を書くか

会社案内と問い合わせフォームだけのホームページには、利用規約を置かなくても、法律上の問題は直ちには生じません。利用規約は、利用者と契約を結ぶ場面で必要になる書類だからです。ただ、サイトの内容に誤りがあったとき、他者がページを転載したり、画像を直接読み込んだりしたとき、リンクの張り方を決めたいときのために、「ご利用にあたって」のような短い案内を置く事業者は多くあります。サイトの形と、規約の要否は次のように整理できます。

サイトの形と、規約の要否

サイトの形規約の要否中身
会社案内と問い合わせフォームだけ必須ではない「ご利用にあたって」として、情報の正確性、リンク、著作権、外部サイトの扱いを短く
コメント欄・口コミ・掲示板がある置く投稿の禁止事項、削除、投稿の利用許諾、利用の停止
予約・申込み・資料請求の機能がある置く申込みの成立、キャンセル、個人情報の取扱い。有料なら特定商取引法に基づく表記
会員登録やマイページがある置くアカウント管理、退会、規約の変更、同意の取り方
資料やテンプレートをダウンロードできる利用条件を示す使える範囲、再配布の禁止、内容の免責

会員登録などがなく、閲覧者に同意を示してもらう機会がないサイトの規約が、閲覧者にどこまで及ぶかは、利用規約の同意の取り方と定型約款のルールで整理しています。

「ご利用にあたって」の条文例(情報発信型のサイト)

第1項

このサイトの内容は、掲載した時点の情報に基づいています。正確で最新の内容とするよう努めますが、そのすべてを保証するものではありません。

第2項

このサイトの文章、画像、図表の著作権は、当社または正当な権利者に帰属します。法令で認められる範囲の引用を除き、無断で複製、転載、改変することはできません。

第3項

このサイトへのリンクは、サイトの趣旨や当社の信用を損なう方法でない限り、自由に設定できます。ただし、当社の画像を直接読み込む方法や、当社のページを他のサイトの枠内に表示する方法でのリンクは、お断りします。

第4項

外部のサイトへのリンクは、便宜のために設けています。リンク先の内容や個人情報の取扱いについて、当社は責任を負いません。

第5項

このサイトは、日本の法令に従って運営されています。

免責は、必要な範囲にとどめます。消費者との契約では、事業者の債務不履行に基づく賠償責任をすべてなくす条項や、故意・重過失の場合に責任を一部でも軽くする条項は、無効とされます(消費者契約法8条1項1号・2号)。「一切責任を負わない」とは書きません。

規約を置くときは、プライバシーポリシーとの関係も決めておきます。規約には「個人情報はプライバシーポリシーに従って取り扱う」とだけ書き、取得する情報や利用目的は、プライバシーポリシー側に一本化します。2か所に書くと、改訂のたびに食い違いが生じるからです。改訂の手順は利用規約の変更で説明しています。

起きがちなこと

ホームページのプライバシーポリシーは、一度作れば終わる書類ではありません。フォームを足す、解析を入れる、採用の応募を受ける、会員を募る。サイトが育つたびに、取得する情報も、送られる先も変わります。実装とポリシーの記載を、同じ一覧から作る習慣をつけておくと、食い違いを防げます。

よくあるご質問

会員登録がなく、問い合わせフォームだけのサイトでも、プライバシーポリシーは必要ですか。

必要と考えるのが安全です。フォームで受け付けた氏名やメールアドレスを検索できる形で保存していれば、人数に関係なく、個人情報保護法上の個人情報取扱事業者の立場になります(16条2項)。フォームで直接取得するときは利用目的の明示(21条2項)が、保有個人データについては名称、利用目的、開示等の手続、安全管理の措置、苦情の申出先の公表(32条1項、施行令10条)が必要です。本人から求められたときに遅滞なく答える体制でも、公表事項を満たせます。

Googleアナリティクスを使っているのに、プライバシーポリシーに書かないと、法律違反になりますか。

個人情報保護法が、解析ツールの名前の記載そのものを求めているわけではありません。ただし、Googleアナリティクスの利用規約にはプライバシーに関する条があり、プライバシーポリシーの公開やCookie等の利用の開示などを求めているため、書かないと規約の違反になるおそれがあります。外部送信規律の対象となるサービスなら、電気通信事業法27条の12の通知・公表も必要です。根拠を区別して、記載を残す運用がおすすめです。

会社のホームページは、外部送信規律の対象になりますか。

会社や店舗の紹介、サービスの案内、来店予約などのページは、自己の事業のための情報発信であり、電気通信事業に当たらないため対象外とされています(総務省の外部送信規律FAQ)。一方、ニュース配信、口コミ・掲示板、複数の出品者が出店するモールなどは対象です。同じサイトの中でも、ページ単位で判断されます。

住所を公開したくない個人事業のサイトでは、事業者の情報をどう書けばよいですか。

32条1項は、本人から求められたときに遅滞なく答える運用でも足りるとしています。事業主の氏名は書き、住所や電話番号は「ご請求があれば遅滞なくお答えします」と書く方法があります。その一文がないと、公表事項を本人の知り得る状態に置いたと説明しにくくなります。有料の商品やサービスを販売する場合は、特定商取引法に基づく表記が別に必要です。

サイトの利用規約は、必ず置く必要がありますか。

会社案内と問い合わせフォームだけであれば、置かなくても法律上の問題は直ちには生じません。コメント欄や掲示板、予約・申込み、会員登録、ダウンロードの機能があるときは、利用条件を決める必要があるため、規約を置きます。置く場合は、免責を必要な範囲にとどめ、「一切責任を負わない」とは書きません(消費者契約法8条1項)。

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